教科書のモメンタム投資を15年実測したら、思ったより地味だった話
「モメンタム(上がっているものを買い続ける)は学術研究で最も頑健なアノマリー」— 投資本でよく見る記述です。当ラボはこれを鵜呑みにせず、手数料・スリッページ・単元株制約・資金制約をすべて入れた状態で15年分実測しました。結論から言うと、モメンタムは本物ですが、教科書の数字をそのまま期待すると失望します。
検証した戦略
株式・債券・金・商品など10種類の資産クラスETFを、直近3・6・12ヶ月の上昇率でランク付けし、月末に上位3つだけを保有する古典的なルール(いわゆるデュアルモメンタム系)です。パラメータは文献の標準値で固定し、結果を見てからの調整は一切していません。
実測結果と「教科書との差」
- 論文の世界でこの種の戦略は「年率10%超・株式より浅いドローダウン」と紹介されがちです
- 当ラボの実測(コスト込み・少額口座の単元株制約込み)では、単体の年率貢献は数%台にとどまりました
- 差の正体は主に3つ: 売買コスト(月次入替は回転率が高い)、単元株制約(少額だと理論配分どおり買えない)、近年の効きの弱まり
それでも捨てなかった理由
成績が「地味」でも、モメンタム部分はポートフォリオ全体の下落を和らげる分散役として機能しました。単体の派手さではなく、組み合わせでの役割が本当の価値です。当ラボの現行システムでも、レバレッジ系戦略の暴れを抑える安定装置として組み込んでいます。
実測から得た3つの教訓
- 論文の数字はコスト控除前・大口前提が多い。個人の実行環境で再計測しない数字は信用しない
- 回転率を下げる工夫(当ラボは「上位5位以内なら保有継続」のヒステリシスを採用)だけで、年率1%以上コストが軽くなった
- 戦略の評価は単体成績ではなく「ポートフォリオに入れたとき何が改善するか」で行う
まとめ
モメンタムは嘘ではありません。ただし「そのまま真似れば年10%」でもありません。この差を埋めるのが検証という作業で、当ラボはその過程を毎日ジャーナルで公開しています。理屈より記録を信じる方針です。
※本記事は一般的な検証記録の共有であり、特定の売買や銘柄を推奨するものではありません。
関連記事
本サイトは投資助言ではなく、自動売買システムの検証記録と一般的な金融教育情報の提供を目的としています。掲載する実績にはペーパートレード(仮想売買)を含み、将来の成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。