レバレッジETFは「持ちっぱなし」と「トレンドフィルタ」でどう変わるか — 15年・コスト込み検証
「レバナス」「TQQQ」のようなレバレッジETFは、SNSでは夢の商品か地獄の商品かの両極端で語られがちです。当ラボの検証エンジン(手数料・スリッページ・単元株制約込み、円建て)で15.6年分を計測した実数を置いておきます。
検証条件
- 期間: 2011年1月〜2026年8月(15.6年)
- 円建て評価(為替の影響込み)、元本100万円
- 執行は翌営業日の寄付成行のみ、往復コスト込み
結果: 買い持ち(Buy & Hold)
| 対象 | 年率 | 最大ドローダウン | 2022年単年 |
|---|---|---|---|
| QQQ(ナスダック100・等倍) | +24.1% | -30.8% | -22.9% |
| TQQQ(同・3倍) | +46.3% | -78.6% | -76.5% |
TQQQの買い持ちは年率だけ見れば圧勝ですが、資産が5分の1になる年を途中で経験します。2022年に-76.5%を食らって握り続けられる人は、統計上ほとんどいません。しかもこの15年はナスダック史上有数の強気相場であり、この年率を将来に外挿するのは危険です。
結果: 200日移動平均フィルタ+ボラティリティ調整
「QQQが200日移動平均より上にある時だけTQQQを保有し、変動が激しい時は保有量を自動で減らす」という機械的ルールにすると、性質が大きく変わります。
| 運用 | 年率 | 最大ドローダウン | 2022年単年 |
|---|---|---|---|
| TQQQ買い持ち | +46.3% | -78.6% | -76.5% |
| トレンドフィルタ運用(当ラボ検証) | 約+12〜16%(配分次第) | -30%前後 | ほぼ横ばい |
年率は下がりますが、破滅的ドローダウンを回避できるのがトレンドフィルタの価値です。一方で弱点も明確で、2011年や2015-16年のような方向感のない相場では「ダマシ」による小さな損失が積み重なります。万能ではありません。
実務上の注意点
- レバレッジETFには経費率と減価(ボラティリティ・ドラッグ)が組み込まれており、横ばい相場では等倍より不利です
- 円建てで見ると、円安局面はリターンを押し上げ、円高局面は逆風になります。ドル建ての成績と混同しないこと
- 手数料は成績を大きく削ります。当ラボの計測では、売買頻度の高い戦略で手数料率0.495%と0.088%の差が年率1.5%以上の差になりました
結論
レバレッジETFは「買い持ちで夢を見る商品」ではなく、「機械的な退出ルールとセットで初めて扱える道具」というのが15年分のデータの答えです。当ラボでは複数戦略への分散の一部として、ボラティリティ調整つきで運用しています。その毎日の記録は検証ジャーナルで公開中です。
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